2015.08.10更新

 遺言書では,財産をどのように分けるか書くことができますが,たとえば,自宅は長男に与えるが,住宅ローンなどの借金も長男のみが負うようにと書くことができるでしょうか。

 

 答えは「NO」です。

 

 法律上,借金は,何の手続をしなくても,自然に相続人間で分割して承継されます。貸し手を保護するためであり,貸し手は,相続人に平等に借金を返すように請求できます。遺言書では,借金の分担まで指定できないのです。

 

 ただし,貸し手(金融機関など)や,負担を指定された相続人の同意があれば,事実上,その内容で借金を一部の相続人のみの負担とすることはできますが,あくまで例外的な方法ですし,現実的には例が多くありません。

 

 このような事態まで想定して,遺言書を作成しなければ,財産をもらえず,借金だけ引き継がなければならない相続人に不満を与え,紛争が残ることになります。

 

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投稿者: 弁護士 野澤哲也